統合失調症家族会説明
統合失調症インターネット家族会は以下のリンクから。
統合失調症の疑い。早急に専門医で受診を |
(回答者:大熊クリニック院長(精神科)・大熊 輝雄) 敏感な性格の人は、電車の中で他人が笑ったり話したりしていると、自分のことを噂されているように感じることがあるそうです。しかし、自宅など、他人がいない場所で悪口が聞こえるとすれば、それは幻覚(幻聴)だと思います。1人で笑ったりするとのことですが、これは幻聴として聞こえることに反応していることもあり、あるいは何か思いだして笑っているのかもしれません。 これらは統合失調症といわれる症状の1つです。統合失調症は、普通は思春期におこる一種の心の病気で、先に述べた幻聴のほかに、被害妄想といって、他人が自分の悪口をいっている、誰かが自分のことを調べている、あとをつけられているといった、実際にはありえないことを事実として確信するようにもなり、周囲の人がそんなことはないといっても考えを変えることができなくなる病気です。妄想が広がると、家に盗聴器がしかけられている、テレビなどで自分に関係のあることを放映しているなどと考えるようになり、外出するのも怖くなり、勉強なども手がつかなくなります。 【通院は不可欠。早急に対応を】 本人はこれらのすべてが事実だと信じているので、家族や友人が病気のせいだといっても、なかなか納得しません。しかし病気なのは明確なので、早急に専門医(精神科医)を受診する必要があります。本人は病気だといってもなかなか納得しないでしょうが、不安や不眠などに苦しんでいるはずなので、それらを緩和し、勉強の能率を上げるためにとでもいえば、承知するでしょう。 【服薬すれば短期間でよくなる】 治療は薬物療法が中心です。息子さんの程度の病状ならば入院の必要はなく、精神科のクリニックや病院の外来に通院して服薬を続ければ、比較的短期間でよくなるでしょう。服薬中には規則正しい生活をすることが大切。ですが、日常活動はふだんどおりに行ってもよく、勉強を続けても差し支えありません。統合失調症に使用するくすりは抗精神病薬と呼ばれますが、最近はよいくすりがいくつも開発されているので、医師の指示にしたがって服薬を続けることです。また、病状がよくなっても、再発を予防するために、しばらくは少量の服薬を続けるのがよく、これも専門医の指導にしたがってください。 |